ボクは桜、キミは唄う
それじゃあんまり意味ない……と思いつつ。

コクン。

頷くしかない。

職員室まで、柚木君と一緒に行くべきかな。

『行こう』とか、誘って?

それとも1人で先に行ってしまえばいいのかな。

なぜか胸の奥がトクントクンうるさい。

「んじゃ、ホームルーム終わり〜。柚木、工藤、忘れんなよ〜」

あっさりと先生は教室を出て行ってしまった。

「トイレ行ってくるー。その後職員室前で待ってるね」

ナカちゃんまでもあっさりと行ってしまう。

──けど。

気にする必要なかったのかも。

やっぱり嫌ってるらしい私を置いて、1人で教室を出て行こうとする柚木君がいた。

「あれ?遥斗〜1人で行くの?冷たいな〜。な〜?工藤さんも誘えよな〜?」

そこへお節介な北川君が突然、そんな事を言い出す。
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