ボクは桜、キミは唄う
恐い。

柚木君、まだ来ないかな。

不安になって外に視線を向けた時

「さっき仲良しの女の子が飯田君に連れてかれたの見ちゃったけど、助けに行かなくていいの?」

マネージャーが言った。

仲良しの女の子……ナカちゃん?

「脩君がナカちゃんを?どうして?」

「さぁ」

なんだか嫌な予感。

あれから脩君とは話してないけど、『脩君なんか大嫌い』って言ってしまったし。

怒らせて、もし、万が一ナカちゃんに何かしたとしたら……。

「ど、どこに行ったのかわかりますか?」

私は慌ててマネージャーに訊ねた。

「多分あっちの方に歩いて行ったから、体育館裏かなぁ?」

「ありがとうございます!」

聞いてすぐ駆け出した。

ナカちゃんに何かあったら、私はー─……。



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