ボクは桜、キミは唄う
「はぁ、はぁ、はぁ、」

息を切らせて体育館裏に着いて、周りをキョロキョロ見渡した。

けど、誰もいない。

ここじゃなかったのかな。

もしかしてさらにどこかへ連れて行かれた?

どうしよう。

不安になりながらその辺を探して歩き回っていると、マネージャーが高田先輩と近づいて来るのが見えた。

知らない男の先輩も一緒だ。

ナカちゃんを心配して見に来てくれたのかな。

キョトンとして3人が近づいて来るのを黙って見ていた私は、突然ハッとした。

体育館裏、ここは人気のない絶好の場所だ。

もし、これが私をおびき寄せるワナだったとしたら。
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