ボクは桜、キミは唄う
「やばっ」

高田先輩がマネージャーを引っ張ったけど、

「待て、こら」

低い声がマネージャー達を止める。

そしてマネージャーから無理矢理携帯を奪うと

「何でこうなってるわけ?」

と言いながら、ピピッと画像を削除しているようだった。

「別に。ムカついたから」

「ここまでやったら犯罪だろ」

私を助けてくれた人。

それは、脩君だった。

男の先輩は、何なんだよって、不服そうに立ち上がると

「俺は関係ないよ?ちょっと手伝ってって言われて来ただけだし」

と言って「あーあ食い損ねた」なんて、ちょっとランチ奪われた位な感覚で去って行った。

高田先輩は、まだ不服そうなマネージャーをグイッと引っ張ると、そそくさと男の後に続いて行く。

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