ボクは桜、キミは唄う
ガシャンッ

見るのも着信音を聞くのも嫌になった私は携帯を投げつけると、ベッドの中に潜り込み、頭からすっぽり布団を被った。

もう、どうすればいいのかわからない。

「もぉ、やだ」

口から弱音がこぼれた。


翌日、私は学校を休んだ。

こういう時、共働きで良かったって思う。

学校行く前に、仕事に行くお母さんに、制服来て手を振れば気づかれる事はない。

1人きりになった家で、制服から部屋着に着替えると、家の電話が鳴り出した。

柚木君からだった。

私も学校に行ってない事はお見通しだったみたい。

「停学くらっちった」

「うん。昨日、ナカちゃんからメール来たよ」

「あ、聞いてた?中学のいい思い出?なんちって。へへっ」

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