ボクは桜、キミは唄う
私が思い詰めるのを気にしてだろうか?

「あ、ちゃんと飯食った?ちゃんと食わないと背伸びないぞ」

変なテンション。

「柚木君」

「牛乳飲めよ〜。あ、でも楓花はちっちゃいのが可愛いもんな」

「柚木君、どうして?」

私を元気づけようとしてかもしれないけど、この状況にあまりにもそぐわない声に違和感を覚え、私は少し責めるような言い方をしてしまった。

「何が?」

柚木君のトーンが少し下がった。

「脩君の事。言い方は悪かったけど、でも脩君は私を助けてくれたのに。殴るなんてどうして……」

「助けた?あいつが?楓花はあいつが助けたと思ってんの?」

何?

でも脩君が来てくれなかったら、今頃私は……。

「助けてもらったよ。脩君がいなかったら私どうなってたかわかんないもん」

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