ボクは桜、キミは唄う
「俺より、あいつを信じるの?」

何言ってるの?

「あいつを信じるの?」

何でそんな事聞くの?

「柚木君?」

「あんな奴殴るだけじゃ足りない」

柚木君のあまりに低い声にドキッとした。

「2度と近づくなよ。あんな奴の言う事なんか……」

「柚木君?何言ってるの?おかしいよ?いくらなんでもそんな言い方……。

いろいろあったけど、脩君は私を助けてくれたんだもん。変に仲良くするつもりはないけど、ちゃんと昨日のお礼は言いに行きたいし……」

「そんなもん言わなくていいよ」

柚木君が声を荒立てた。

「柚木君、どうしたの?何があったの?」

いつもの穏やかな柚木君じゃない。

「……ごめん。けど」

柚木君が言いかけた時、私の携帯が鳴り出した。

< 183 / 366 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop