ボクは桜、キミは唄う
そして、2週間後の朝。

またいつものようにお母さんに手を振り、部屋着に着替えようとした時、家のインターホンが鳴った。

「おーい。ナカちゃんだよー。楓花、いる?」

ナカちゃん?

私は慌てて鍵を開け、ドアを開いた。

「楓花ぁ〜ちょっとやつれたんじゃない?大丈夫?」

ナカちゃんが目の前で心配してくれてる。

「ナカちゃん……」

「迎えに来たよ。楓花のピアノ、みんなで楽しみにしてるんだから」

「ピアノ?」

「今日合唱コンクールでしょ?楓花の伴奏なきゃ私達歌えないよ?」

いろいろありすぎて忘れてた。今年も去年と同じように伴奏を任されていた私。

「でも私、学校は……」

俯く私をナカちゃんは無理矢理引っ張った。

「大丈夫。柚木がちゃんと守ってくれたから」

「柚木君が?」

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