ボクは桜、キミは唄う
「じゃ、そーゆー事で。後でコピーして楽譜渡すな。で、運ぶプリントは、これ。頼むな〜」

ポンと差し出されたのはクラスの人数分のA4用紙。

「これぐらい1人で運べるんじゃね?つか山崎1人で持って来れるんじゃん」

柚木君が突っ込んだ。

「えへぇ?あたし、か弱いからぁ?無理ぃー」

先生はおどけて、ナヨッと答える。

そして、人数分を半分に分け、ポンポンと2人に手渡した。

「はい終了〜。後は2人仲良く教室戻る!」

同時に先生にクルッと向きを変えられた私達は、ポンと背中を押され、一緒に一歩を踏み出した。

「ん〜。いいね。柚木、そろそろ席替えするから、いい子にしてたらいい事あるかもよ」

先生の声に振り向くと、親指を立てて片目をつぶっていた。

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