ボクは桜、キミは唄う
「うん」
“寂しい”って、言葉にすると余計に寂しくなってしまう。
現実から目をそすように、手元にあった英和辞書を意味もなくペラペラめくった。
そこにはあちこちに赤や青のペンで書き込みがしてある。
脩君の字だ。
テストに出た場所や、間違いやすい部分を私の為にチェックしてくれていたんだ。
感慨深げに書き込みを眺めていると、ナカちゃんが急に思い出したように声をあげた。
「そうだ!この間、私、飯田先輩見たよ!」
「この間?」
「うん。先週の金曜だったかな。夕方コンビニにアイス買いに行ったら女の人と一緒に飲み物選んでた」
女の人……。
彼女できたのかな。
「それがさ、顔見てビックリだよ」
「顔?女の人の?」
「そう。後ろ姿見た時は全然気付かなかったんだけど、振り向いたらさー」
「なに?知ってる人?」
“寂しい”って、言葉にすると余計に寂しくなってしまう。
現実から目をそすように、手元にあった英和辞書を意味もなくペラペラめくった。
そこにはあちこちに赤や青のペンで書き込みがしてある。
脩君の字だ。
テストに出た場所や、間違いやすい部分を私の為にチェックしてくれていたんだ。
感慨深げに書き込みを眺めていると、ナカちゃんが急に思い出したように声をあげた。
「そうだ!この間、私、飯田先輩見たよ!」
「この間?」
「うん。先週の金曜だったかな。夕方コンビニにアイス買いに行ったら女の人と一緒に飲み物選んでた」
女の人……。
彼女できたのかな。
「それがさ、顔見てビックリだよ」
「顔?女の人の?」
「そう。後ろ姿見た時は全然気付かなかったんだけど、振り向いたらさー」
「なに?知ってる人?」