ボクは桜、キミは唄う
「急いで、布団!!」

北川君がナカちゃんの代わりに答えてくれる。

布団?

バレない?

で、でも考えてる暇ない。もうすぐ柚木君が来てしまうし、ここに私だけがいるなんて、不自然すぎる。

私は慌てて布団をめくると、中に潜り込んだ。

ガチャン。

と、同時にドアが開く音がした。

柚木君だ。

トクントクントクン

「あれ?新ぁ?」

柚木君の声を久々に間近で聞く。

懐かしい……。

「お?」

やばっ。ドキドキしすぎて、動いてしまったのが、バレたかも。

トクントクントクントクン

心臓の音が速まる。

柚木君の足音が近づいてる気がすると思った瞬間。

「新みっけー!こんにゃろコンニャロ」

柚木君は私が入ってる布団の上に乗っかってきた。

「き、きぁ~」
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