ボクは桜、キミは唄う
カタカタと柚木君のシャーペンが走る。
そう言えば去年から家庭教師つけてるって、北川君が言ってたっけ。
熱心だな。
負けていられないと、私も参考書を開いたとき
「ガリガリ君、食いたくなるね」
不意に柚木くんがそんなことを言った。
「あ、俺だけ?」
見上げると、以前と変わらない柚木君の笑顔がそこにある。
一緒にテスト勉強しながらガリガリ君食べたっけ。
初めて手を繋いで。
ドキドキして勉強どころじゃなくて。
そして、初めてキスをした──
そこまで考えて、懐かしさと切なさが込み上げる。
今までいろんなことに蓋をして、無理矢理割りきろうとしていたのに、付き合ってた頃と同じ状況におかれて、同じように柚木君に微笑まれたら。
戻りたいって、思ってしまう。
手を伸ばせば、届くんじゃないかって期待してしまう。
答えられずにいる私を、柚木君はただ見つめ返していた。
好き…………って言ったら、柚木君はなんて言うのかな。
「柚木君、私…………」
そう言えば去年から家庭教師つけてるって、北川君が言ってたっけ。
熱心だな。
負けていられないと、私も参考書を開いたとき
「ガリガリ君、食いたくなるね」
不意に柚木くんがそんなことを言った。
「あ、俺だけ?」
見上げると、以前と変わらない柚木君の笑顔がそこにある。
一緒にテスト勉強しながらガリガリ君食べたっけ。
初めて手を繋いで。
ドキドキして勉強どころじゃなくて。
そして、初めてキスをした──
そこまで考えて、懐かしさと切なさが込み上げる。
今までいろんなことに蓋をして、無理矢理割りきろうとしていたのに、付き合ってた頃と同じ状況におかれて、同じように柚木君に微笑まれたら。
戻りたいって、思ってしまう。
手を伸ばせば、届くんじゃないかって期待してしまう。
答えられずにいる私を、柚木君はただ見つめ返していた。
好き…………って言ったら、柚木君はなんて言うのかな。
「柚木君、私…………」