ボクは桜、キミは唄う
『もうすぐ卒業だね』

休み時間、不意に口にしたナカちゃんの言葉を合図に、私達4人は急に黙ったっけ。

もう一緒に授業を受けたり、北川君とプロレスごっこしてはしゃぐ姿を見たり、笑い声を聞いたり出来なくなる。

そう思うと急激に寂しさを覚えたんだ。



しんみりする空気を嫌う北川君は、すぐに笑い話を始めたけどね。

『柚木、昨日鼻血が止まらなくて、出血死するって騒いでた』とか。

『道端の糞を見つけて、気づいてない柚木をわざと糞の近く歩かせて踏ませた』とか。

ナカちゃんは、相変わらずバカだねぇって大笑いしてた。

私は、『笑うなよ』って拗ねて私に言う柚木君に、ドキドキしてたんだ。

私達が騒いでいると、決まってアキちゃんとアキちゃんの彼氏、ナオちゃん、佐々木君が近づいてきた。

何だかんだ言って気の合う雰囲気の柚木君と佐々木君。

「俺らは絶対仲良くない!」って二人とも言うんだけどね。

でも、喧嘩するほど仲がいいって言うでしょ?
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