ボクは桜、キミは唄う
卒業証書の代わりに画用紙を受け取り、礼をする。
前髪がまた少し伸びた。
さらに大人びた柚木君の姿は私の胸を震わせる。
私は昨日、背中まであった髪の毛を肩まで切った。
私は幼くなる一方かも。
髪の毛に触れてみると、切り立ての毛先がそろっていて、妙におかしくなった。
幼稚園児みたい。
放課後はあっという間にやって来てしまった。
ナカちゃんが帰り支度しながら
「今日、アイツの家行く事になってるんだけどさ」
と言う。
ナカちゃんの言うアイツとは、北川君の事だ。
照れ屋なナカちゃんは未だに北川君を名前では呼ばない。
「せっかくだから、楓花も一緒に行かない?ほら、みんな誘ってさ」
何を言ってるんだか。
いつもお姉ちゃんみたいに私を引っ張って行くナカちゃんも、恋の事になったらまだまだお子様だ。
北川君の前で少しも甘えた事がないし。
たまには女の子らしくしようよって、言うんだけど、
「私があいつに甘えるなんて、キモい!!」
って、首をぶるんぶるん振っていた。
「もう、ナカちゃん、私まで一緒に行ったら北川君カンカンだよ?ただの邪魔者じゃん。ナカちゃん、そろそろ彼女っていう立場わきまえてこうよ。
北川君は絶対二人きりになりたいんだってば」
前髪がまた少し伸びた。
さらに大人びた柚木君の姿は私の胸を震わせる。
私は昨日、背中まであった髪の毛を肩まで切った。
私は幼くなる一方かも。
髪の毛に触れてみると、切り立ての毛先がそろっていて、妙におかしくなった。
幼稚園児みたい。
放課後はあっという間にやって来てしまった。
ナカちゃんが帰り支度しながら
「今日、アイツの家行く事になってるんだけどさ」
と言う。
ナカちゃんの言うアイツとは、北川君の事だ。
照れ屋なナカちゃんは未だに北川君を名前では呼ばない。
「せっかくだから、楓花も一緒に行かない?ほら、みんな誘ってさ」
何を言ってるんだか。
いつもお姉ちゃんみたいに私を引っ張って行くナカちゃんも、恋の事になったらまだまだお子様だ。
北川君の前で少しも甘えた事がないし。
たまには女の子らしくしようよって、言うんだけど、
「私があいつに甘えるなんて、キモい!!」
って、首をぶるんぶるん振っていた。
「もう、ナカちゃん、私まで一緒に行ったら北川君カンカンだよ?ただの邪魔者じゃん。ナカちゃん、そろそろ彼女っていう立場わきまえてこうよ。
北川君は絶対二人きりになりたいんだってば」