ボクは桜、キミは唄う
柚木君と、どんな顔して会えばいいのかわからない。

私が呼び出してフラれた事も、知ってるのはナオちゃんだけだし。

ナカちゃんにすがる事もできない。

どうしよう。

靴を脱いだ柚木君は、私を見つけると、困ったように目を伏せた。

「みんな合格したんだし、中学校生活も後2日でしょ?盛り上がろうよ。私、ケーキも頼んじゃったんだ」

アキちゃんはノリノリで、玄関に置いてあった箱を指差した。

「おぉ、ケーキケーキ!!うまそう」

北川君もご満悦。

「俺、飲みものたくさん買ってきたから」

アキちゃんの彼氏がビニール袋を掲げた。


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