ボクは桜、キミは唄う
どうしよう。

きっと私の顔、ひきってる。

柚木君の顔も、まともになんて見れない。

あの日の放課後、柚木君の姿を見送った時に、全て終わらせたはずだったのに。

こんな近くで柚木君を見たら、ドキドキが止まらなくなる。





みんなでアキちゃんの部屋に入り込むと、佐々木君が一人で漫画を読んでいた。

「は?なんで佐々木がいるの?」

北川君が不服そうに声をあげた。

「悪い?呼ばれたから来たんだけど」

佐々木君は北川君の声など気にせず「工藤さん、これ面白いよ」と漫画を見せてくる。

「あ、うん」

気まずい私は逃げるようにして佐々木君の隣に座った。


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