ボクは桜、キミは唄う
「何がいい?」

佐々木君が私に聞く。

「えっと、お茶」

すると、お茶のペットボトルを持っていた柚木君が、グラスに注ぎ渡してくれた。

「ありがとう」

でも、みんなが何か訳の分からないことばかり言い合っていて、混乱してしまう。

隣に佐々木君がいる不自然さも。

同じ部屋に柚木君がいる違和感も。

全部が混乱させる。

「ねー、あの時の七三やってよ」

佐々木君は北川君と柚木君を見ながらニヤっとした。

「あ?」

北川君がムッとする。

「ふざけんなよお前。いくら勝ち取ったからって、こいつの努力バカにする必要ねーだろーが!」

「勝ち取ったって何さ?」

「工藤のことだろーが!」

「わ……たし?」

「ちょっと、なんであんたさっきから楓花のことで突っかかってんの?」

ナカちゃんがイライラ気味に、北川君の耳たぶを引っ張った。

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