ボクは桜、キミは唄う
遅刻常習犯だった彼が初めて早く学校に来たのは、2週間ほど前のこと。
「イェーイ!いっちばーん!」
って叫び声と共に、教室のドアをガラッと開けて、柚木君が顔を覗かせたんだ。
そして、先客の私を見て目をまんまるくした。
私が
「お……はよ」
って言ったら、恥ずかしそうに視線を落として、ペコッて、わかるかわからないかくらいの小さなお辞儀をした。
『いっちばーん』ってノリノリだったのに、違ったのが恥ずかしかったみたい。
「今朝起きて用意して家出ようとしたら、よく見たら1時間早いの。目覚まし1時間間違えてセットしてたみたいでさ。かーちゃんも気づいてたくせにわざと言わないで、ゲラゲラ笑ってさー。ムカついたからそのまま登校してやった」
クラスが賑やかになり始めた頃、柚木君が友達に話してる声を聞いて、その日早かった理由を知った。
「イェーイ!いっちばーん!」
って叫び声と共に、教室のドアをガラッと開けて、柚木君が顔を覗かせたんだ。
そして、先客の私を見て目をまんまるくした。
私が
「お……はよ」
って言ったら、恥ずかしそうに視線を落として、ペコッて、わかるかわからないかくらいの小さなお辞儀をした。
『いっちばーん』ってノリノリだったのに、違ったのが恥ずかしかったみたい。
「今朝起きて用意して家出ようとしたら、よく見たら1時間早いの。目覚まし1時間間違えてセットしてたみたいでさ。かーちゃんも気づいてたくせにわざと言わないで、ゲラゲラ笑ってさー。ムカついたからそのまま登校してやった」
クラスが賑やかになり始めた頃、柚木君が友達に話してる声を聞いて、その日早かった理由を知った。