ボクは桜、キミは唄う
それからも陸上部は、俯せや後ろ向きからのスタートや、股上げ、ウサギ跳びなどのいろんなメニューをこなし。

私はストーカーのごとく影から柚木君を見つめていた。

まずい、と思ったのは

「ラスト1本!」

という声が聞こえた時。

今この状況で部活終了した柚木君に見つかったら、説明する事が多すぎる。

部活の最中、ずっと眺めてた事もばれてしまう。

ど、ど、ど、どうしよう?

「ん?あれ?楓花?どうしたの?帰ったんじゃなかったの?」

そこに運悪く、テニス部を終えたナカちゃんが汗を拭きながら外からやってきた。

声が大きい!

「しっ、しーっ」

慌てて、人差し指を口元で立てるけど

「ん?何で?」

通用しない。




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