ボクは桜、キミは唄う
どんっ!

「はるくーん!」

突然、後ろから衝撃があったかと思うと、私にぶつかってから柚木君に向かって走って行くマネジャーがいた。

「もういいよぉ。先生見てないし。終わった事にしちゃいなぁ」

走る柚木君を止めようとするマネージャー。

でも柚木君はそれを振りほどき、走り続けた。

「はるくんっ」

マネジャーの声に耳も貸さず、3周終えてもまだ止まらない。

「はるくんっ倒れちゃうよ?もう休も」

マネジャーは無理矢理柚木君の腕をつかんだ。

その瞬間、体勢を崩した柚木君が地面に転がった。

「柚木君っ」

私は足が痛い事も忘れて、柚木君の元へ駆け寄った。

柚木君の膝が血で赤く染まっている。

「大丈夫?た、タオルっ」
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