ボクは桜、キミは唄う
今、言わなきゃ、きっとまた言えなくなる。

私は慌てて

「柚木君!」

柚木君を引き止めた。

ビックリして振り向く柚木君。

「柚木君、昨日……」

何から話したらいいんだろ?

話したい事はいっぱいあるのに、柚木君に真っ直ぐ見つめられると言葉が見つからなくなる。

「昨日……」

「ごめん」

言葉に詰まっていると、先に謝ってきたのは柚木君だった。

「迷惑も気づかないでくっついてっちゃって。んで、グラウンドであんな言い方……ごめん」

「う、ううん、私も」

「カッコ悪くてさ。走らされてんのも、コケたのも。カッコ悪くて、なんつーか……恥ずかしかった」

「あ……」

『だせー』

昨日の柚木君の言葉を思い出した。
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