ボクは桜、キミは唄う
「あ?そら、あんな事やこんな事だろ」

「先生!あんな事やこんな事って何ですかー」

「うるせぇ北川、こんな時だけ優等生ぶるんじゃねぇ」

先生は手に持っていた紙を丸めてペシッと北川君の頭を叩いた。

そして、まだ鞄を持ったままの柚木君にニヤッとして聞く。

「おぉ、失恋ヤロー立ち直ったか?」

「してねーし」

「あ、マジで?マル?マル?」

柚木君の答えに、先生は私を見て片手をオッケーにしてきた。

「へ?」

何の事?

「山崎っ」

柚木君は慌てて先生と私の間に立って先生を押し返す。

「なんだ〜。まだ言ってねーのか。だらしねーな。今日からお前をチキンと呼ぶぞ」

「うるせーっ」
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