ボクは桜、キミは唄う
先生がドアのとこまで行くと、ナカちゃんと北川君も駆け寄り

「後よろしく」

と言って、3人一緒に音楽室を出て行ってしまった。

「エロい事すんなよ」

北川君が閉まった扉をちょっとだけ開けて一言残し、ぶぁっはっはっと先生の笑い声を真似して去って行く。

取り残された私と柚木君。

片付け……しなくちゃ。

私は慌てて楽譜を畳んだ。

「お、俺も手伝うよ」

柚木君はピアノに近づき、落ちていたシャーペンを拾った。

その拍子に、胸ポケットから生徒手帳がパサッと床に転がる。

え……?

私は自分の目を疑った。

柚木君の生徒手帳の隙間から1枚の写真が顔を覗かせたんだ。
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