ボクは桜、キミは唄う
「ピアノの音がさ、みんなと同じはずなのに、違って聞こえて。なんかよくわかんないけど、すげーって思ったんだ」
それって……。
同級生がみんなよくわからないと言っていた事に、柚木君は気づいてくれたんだ。
「だから6年の時も見てて、んで、中学入ったら同じクラスだったから、新とナカがすげー騒いで」
なんて答えたらいいのかわからなくて、私は黙って柚木君の話を聞いていた。
「笑わなかったのはさ、新にいろいろ言われてからかわれるのが悔しかったのと、ちょっと……」
言葉に詰まった柚木君はチラッと私を見てからすぐに目をそらし、頭をポリッとかいて
「緊張してた」
照れくさそうに言った。
「これ……この写真は、6年の時に新に頼んで、デジカメで隠し撮りと言う……セコいワザを……」
生まれて初めて、胸がきゅーっとなる感覚を知った。
それって……。
同級生がみんなよくわからないと言っていた事に、柚木君は気づいてくれたんだ。
「だから6年の時も見てて、んで、中学入ったら同じクラスだったから、新とナカがすげー騒いで」
なんて答えたらいいのかわからなくて、私は黙って柚木君の話を聞いていた。
「笑わなかったのはさ、新にいろいろ言われてからかわれるのが悔しかったのと、ちょっと……」
言葉に詰まった柚木君はチラッと私を見てからすぐに目をそらし、頭をポリッとかいて
「緊張してた」
照れくさそうに言った。
「これ……この写真は、6年の時に新に頼んで、デジカメで隠し撮りと言う……セコいワザを……」
生まれて初めて、胸がきゅーっとなる感覚を知った。