ボクは桜、キミは唄う
「うるさいっつってんのが聞こえないの?」

ナカちゃん……本気で怒ってるみたい。

「おー怖っ。そんなんだから男できないんだぞ。工藤ちゃん見てみ?二股だぞ?いい男2人も捕まえてウハウハ……」

瞬間、柚木君が北川君の脇腹に蹴りを入れた。

「お前、いい加減にしろよ」

柚木君も本気で怒った。

「けどさぁ」

北川君は本気の怒りに気づいてるのかいないのか、めげる事なく続けた。

「隣のクラスでも結構噂になってるらしいよ?工藤ちゃんが3年の飯田先輩と遥斗を天秤にかけてるとか」

「うそ」

ナカちゃんが前にチラッとそんな事を言っていたけど、北川君からまで言われると現実味を帯びてくる。

「ホントホント。あきちゃんも心配してたもん。友達の柚木君、大丈夫?って。あ、俺はすぐ否定したけどね?でも実際のとこどーなんだか?なんつってー」

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