ボクは桜、キミは唄う
「あれ?食わないの?」

床にあぐらをかき、ガリガリ君を口にくわえた柚木君は、まだ立ちっぱなしの私を見上げてキョトンとする。

「手……」

「え?手?あ、洗う?」

「繋いじゃった」

「あ?」

そこで顔を見合わせた私達は、同時に真っ赤になった。

「改めて言うなよ」

「だって」

顔が熱くて柚木君をまともに見れない。

「じゃあ、冷却ー」

突然、そんな私の頬に、柚木君がアイスをくっつけて来た。

「つめたっ」

「冷えた?」

目の前で柚木君が様子を窺ってる。

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