わがままな君が好き
1
「―――続いて、崎本瞳役の柴田未雨さんです」


司会者の声に、未雨が緊張した面持ちで席を立ち、報道陣に向かって頭を下げた。


未雨に向かってたかれるフラッシュ。


眩しくて、目をつぶりそうになってしまうのを必死にこらえ、未雨は笑顔を作った。





―――本当に、あたしがドラマに出られるんだ―――




そのフラッシュの光に、未雨の胸は高揚していた。


不安よりも、期待感の方が大きかった。


15歳という若さからなのか、はたまた単に鈍いだけなのか、それとも未雨がおめでたい楽天家だからなのか・・・・・
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