わがままな君が好き
声は少し上ずっていた。


それでも満面の笑みで監督に頭を下げる未雨を、隼はちょっと意外そうに見ていた。






「お前、ギャップあり過ぎ」


突然、隼が話しかけてきた。


待ち時間、マネージャーと話していた時だった。


未雨のマネージャーは23歳の佐々木真紀というまだ若い女性だった。


見た目はとても大人っぽく、落ち着いた感じの女性だったが、話すととても気さくで、親しみやすい。


未雨にとっては姉のような存在だった。


その真紀と談笑していた時、いつの間にそこにいたのか、すぐそばの壁にもたれかかっていた隼が声をかけてきたのだ。

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