わがままな君が好き

その切れ長の目が、未雨を見つめていた。


ドキッとするほど深い光をたたえた瞳。


未雨は、一瞬何を言われたのかわからずにきょとんとしていた。


「あの・・・・・」


「さっきまで、すげえ怖い顔してたのに。てっきり、瞳と同じような女なのかと思った」


にやにやと笑いを含んでそう言う隼。


「瞳ってさ、妹のくせに省吾を兄貴として見てねえじゃん。くそ生意気で―――めちゃくちゃ可愛くねえ」


その言い方に、思わずむっとする未雨。


「可愛くないって―――でも、省吾はそんなこと思ってないと思うけど」


敬語を使うのも忘れていた。


真紀が慌てたように未雨を見たが、未雨は構わず隼を睨んだ。