海上船内物語
「アラン・・・・・・・・ですか、」
ざわりとその場が騒がしくなった。
「あぁ。巷で有名になってるな、あのおっさん。何でも殺し、強盗、拉致も簡単にやりやがるから政府からも始末命令が出されてる」
「そう言う連中が、このヨーロッパの海で暴れてるって訳だ。」
アキに続き、ウルも重たくそう言った。
「そこで。昨日は大海賊連盟の下っ端だったから情報など掴めなかったが、連盟、と名前がつくからには幹部やトップ海賊団も居るはずだ。喧嘩売ってきた海賊共は全て打ちのめせ」
船長の無造作な黒髪が揺れ、口元が妖しく浮かぶ。
それを見て、船員の皆が武者震いをした。
「当たり前でさぁ」
ぶった斬ってやりましょうぜ、と声が次々漏れ始める。
死神船が、歓喜の声で揺れた。