海上船内物語
「・・・・船長は、あの“シーザ”と言う男と何の関係が・・・・?」
ウルも剣を収め、足元に転がっていた屍を掴み、海へ投げ入れる。
「・・・・・・・・・・・・義兄弟、とでも言った所か。昔の話だ」
「きょ、兄弟?!」
「安心しろ、血なぞ繋がってない」
口元を微妙に上げ、アキはウルに背を向ける。
「船長、」
「寝る。今日は疲れたからな。お前もそれを片したら休め」
扉を押し開け船内に入るアキ。
そのまま階段を上がって船長室に入ってしまった。
ウルはただ、呆然とその姿を見ているだけだった。
海に流れた血液が太陽に照らされ、不気味に光る。