海上船内物語




「ガルフを殺したのは、お前だ。それは知ってる。
お前は、ガルフの舎弟だった俺とアキをどうしようとしてんだ!!」


「声は出すなよ、シーザ。“爆弾娘”が起きるぞ」


アランが小馬鹿にしたように、嗤った。



「・・・あの日俺を拾って、育てて、連盟なんか作りやがって、こいつも巻き込みやがって、・・・・・・全部お前の思索通りなのか」


シーザが噛み付くようにアランを睨み上げる。

アランはそれでも口元に薄ら笑みを浮かべていた。



「・・・・・・・・さあな、わしは秘密を漏らさないタイプだからなぁ」


その時、カイルが寝返りを打つ。
シーザが反応した。



「・・・おっと、起きてしまったら後が面倒だ。今日はこれ位にしてもらうぞ、シーザ。
カイルの面倒は頼んだ」


にやつきながら、アランは部屋から出て行く。



「チッ、あの糞ジジィ・・・・・・」


シーザはカイルを見下ろした。


頬にこびり付いていた血を指で払う。




「お前の事、あの日から俺はずっと・・・・・・」


カイルがまた寝返りを打って、シーザは口を閉じた。




「アキ・・・・・・・・・」









< 114 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop