海上船内物語
「ガルフを殺したのは、お前だ。それは知ってる。
お前は、ガルフの舎弟だった俺とアキをどうしようとしてんだ!!」
「声は出すなよ、シーザ。“爆弾娘”が起きるぞ」
アランが小馬鹿にしたように、嗤った。
「・・・あの日俺を拾って、育てて、連盟なんか作りやがって、こいつも巻き込みやがって、・・・・・・全部お前の思索通りなのか」
シーザが噛み付くようにアランを睨み上げる。
アランはそれでも口元に薄ら笑みを浮かべていた。
「・・・・・・・・さあな、わしは秘密を漏らさないタイプだからなぁ」
その時、カイルが寝返りを打つ。
シーザが反応した。
「・・・おっと、起きてしまったら後が面倒だ。今日はこれ位にしてもらうぞ、シーザ。
カイルの面倒は頼んだ」
にやつきながら、アランは部屋から出て行く。
「チッ、あの糞ジジィ・・・・・・」
シーザはカイルを見下ろした。
頬にこびり付いていた血を指で払う。
「お前の事、あの日から俺はずっと・・・・・・」
カイルがまた寝返りを打って、シーザは口を閉じた。
「アキ・・・・・・・・・」