海上船内物語










□ □ □



小さな物音に、カイルは目を覚ました。

視界に黒髪の男が映る。




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「あぁ、起きたか。お前ほぼ三日寝過ごしたな」


シーザの嫌味を寝起きの頭で聞き流しながら、体を起こす。




「・・・・シーザ、・・・・・・・・ここ・・・・」


どん、と横にあった低いテーブルに、スープが入った食器が置かれる。



「俺の船。」

「船・・・・・・・・・・・・船?!」

「あぁ、アランはここには居ねぇぞ。この船は“アリア”船のモンだからな」


寝惚け眼の目が、何を言っているか分からない、と言う様に瞬きをした。



「アリア・・・・・・・?」

「大海賊連盟の幹部、って所だ。こう見えても船長だぜ」


どか、とシーザがベッドに腰掛ける。


「食わねぇのか?」

「・・・・・・・・・・・・・・」



シーザがスープを指差す。



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