海上船内物語
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小さな物音に、カイルは目を覚ました。
視界に黒髪の男が映る。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あぁ、起きたか。お前ほぼ三日寝過ごしたな」
シーザの嫌味を寝起きの頭で聞き流しながら、体を起こす。
「・・・・シーザ、・・・・・・・・ここ・・・・」
どん、と横にあった低いテーブルに、スープが入った食器が置かれる。
「俺の船。」
「船・・・・・・・・・・・・船?!」
「あぁ、アランはここには居ねぇぞ。この船は“アリア”船のモンだからな」
寝惚け眼の目が、何を言っているか分からない、と言う様に瞬きをした。
「アリア・・・・・・・?」
「大海賊連盟の幹部、って所だ。こう見えても船長だぜ」
どか、とシーザがベッドに腰掛ける。
「食わねぇのか?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
シーザがスープを指差す。