海上船内物語
「カイルは、あのアランの娘ですよ?!どうお考えなんですか?!」
「ウルは、カイルを“敵”と見做したか?」
ぐ、とウルは息を呑んだ。
「俺は難しく考えてはいない。あの実力が、欲しいだけだ」
「実、力・・・・・・・」
「単純に考えて、カイルは死神船の戦力になる。数が少ない死神船に、剣士は必要だ」
「確かに、一瞬であの海賊の半数を蹴散らしましたからね。でも、カイルは・・・・」
「・・・・・あぁ、そうだ。海賊の娘だからな。カイルを入れるかどうかは、直接本人に聞きたい」
アキが視線を落とす。
「・・・・・・船長、俺が質問してもいいですか」
「何だ?」
「“シーザ”と言う男と、船長は何の関係があるんですか?」
アキは口を結んで、立ち上がった。
「・・・・・いつか話す時は来ると思っていた。驚かずに聞いてくれ」
アキが口を開く。