海上船内物語
「、うわっ!!」
「おっさん所に行ってくる。アリア船のことは頼んだぜ、アル」
「了解しました」
海に気を取られていたカイルを抱き上げ、シーザは一人、列から外れるように歩いた。
「・・・・・・親父の所に行くの?」
「まぁな。一応この“見せびらかし”を提案したのはおっさんだからな」
「・・・・ふぅん・・・・・・」
不機嫌そうに、カイルは溜め息をこぼす。
「・・・お前なぁ、いい加減その“父親嫌いオーラ”無くせよ。おっさん可哀想だろ?」
「出るもんは仕方無いじゃん」
「それを無くせっての」
シーザとカイルが列より早く、港に着いた。
シーザは辺りを見渡して、船を捜す。
「あぁ、あった。あの船だ」
堤防の一番左側に停められた、帆船に乗り込むシーザ。
薄暗い雰囲気が二人を包む。
「・・・・・・私、ベイズラリアのこの血生臭さが嫌いなんだ」
「あぁ、俺もソレ今思ったところだ」
眉を寄せながら、シーザとカイルは船内を進んだ。
シーザはある扉の前で止まり、その扉をノックする。