海上船内物語



「・・・カイル、お前、もし死神船が俺らの前に現れたらどうする?」

「はぁ?どうするって・・・・・」


アランは急に真面目な顔つきなった。



「・・・・知らない。未来のことなんか、分かるわけがない」

「おいカイル、おっさんは手前ぇの意思聞いてんだよ」

「だから、未来の自分のことなんか知らないって言ってるの」



シーザを押し、カイルは高いヒールのある靴で床に立つ。
そして、アランを睨み上げた。



「・・・・・・人の暮らしの邪魔ばかりする海賊の仲間なんかには、絶対なりたくない」


「お前、剣を持たなくなったな」


「・・・当たり前でしょ」



アランのサーベルに視線を落としながら、カイルは顔を顰めながらそう言った。



「自分が怖くなっちまったら、終わりだぜ」

「っ・・・・・・・・・」



睨んでくるカイルの視線を真っ直ぐに捉えながら、アランは強気に笑う。
カイルの眉間の皺が更に深く刻まれ、アランに背を向けた。



「おーおー、反抗期が今頃来たかぁ?」

「・・・帰る。」


そのまま歩き出し、カイルは勝手に部屋から出てしまう。

それを横目に見ながら、アランはシーザに手招きした。




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