海上船内物語










□ □ □



『ガルフ!!』

『ガルフ!』


頭に声が響く。



『ガルフは俺らの父ちゃんだ!!』


視界に広がる、鮮血。




「っ、・・・・・・・・・・!!」



シーザは、勢い良く体を起こした。

背筋に汗が伝う。



(また、夢・・・・・・・・・)


上がる息を整えて、シーザは隣で寝ていたカイルに目を落とす。



枕元に広がる、月に照らされて不気味に光る金髪を手で透いた。



「・・・・・・・・どうしたの、シーザ」


不意に、眠たそうな声がする。


「・・・起きてたのか」

「起きた」



カイルの目が、シーザを捉えた。




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