海上船内物語



「し、ざ・・・・・・・・、」



甘ったるい視線が、シーザと絡む。

その妖艶さに、シーザの体が桑立った。



カイルの細い腕が、シーザを退かそうとする。
その手を取り、シーザは口付けた。




(もう、間違いはねぇ・・・・・・・)



金糸を手に掬い、指を滑らせる。
滑らかな髪が、指の間を通り抜けた。


白い肌が、色付く。




「・・・お前が、“女神”だったか・・・・・・」


「・・・・・・・・なに、・・・・・?」



聞こえないくらいの声で、シーザは漏らした。




「・・・おれの・・・・・・・」

「っ、・・・・・ぁ・・・・・・」



ぎしり、と安いベッドのスプリングが鳴く。



「・・・・さ、いきん・・・・、シーザ、変・・・」


腕で隠していた顔を覗かせ、カイルは不意にそう言った。




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