海上船内物語



「ど、どこに・・・・!」

「船に決まっているだろう。そこに停めてある」


アキは顎で正面を指す。
アリア船の正面には、木を黒で染めた、大きな船が停まっていた。

風で帆が張り、少しずつこちらに近付いてくる。



「わたしは行かな、・・・・」

「自己嫌悪に囚われるな。自分で自分に溺れるのは、勿体無い」


カイルの目が見開いた。


「どうせ貴様のことだ。そうなんだろう?俺は、お前の性格を把握してるつもりだ」

「ど、どんな性格・・・・・」

「自分の失敗を、一生後悔する、ネガティブな性格だ」

「・・・・・・・・・・・・・」



アキは死神船に飛び移る。
ウルもそれに続き、全員死神船に乗り移った。


風を受け、船は前進する。




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