海上船内物語
■ ■ ■
見上げると、優しい笑顔。
自分が生きていた中で、こんな笑顔を見たことは一度も無い。
優しく頭を撫でてくれる。
(やめろ、やめろ )
壊れそうになる。
今まで必死に耐えてきた、自分の人生が馬鹿馬鹿しくなってくる。
(だから、触るな、笑うな、)
じぶんの箍がはずれるまえにきえてくれ
先程見た、二人の子供の笑顔を思い出す。
(なんで、じぶんだけ)
そう思ったらお終いだ。
これが当たり前だ、普通なんだ、そう思ってないと壊れてしまう。