海上船内物語
□屠
□ □ □
「っ、!!」
カイルが勢いよく体を起こす。
反発でベッドが軋んだ。
「はぁ・・・・・・、はぁ、・・・・・・・・・・」
(船、長室・・・・・・・)
周りを見渡し、確認した所でカイルは顔を覆った。
肩で荒い息を吐き、心臓が早く高鳴っている。
(また、夢・・・・・・・・・)
胸を撫で下ろすと、カイルはベッドから下りる。
冷たい床が目を覚まさせる。
「あれ、シーザ」
ふと、カイルは床に転がっていた黒い物体を目にする。
床に黒髪が広がっていた。
「シーザ、何してるのこんなとこで」
転がっているシーザを軽く揺すり、起こそうとする。
少しの間揺れていたシーザはようやく瞳を開け、カイルの姿を捉えた。