海上船内物語


「カイル・・・・、ここ・・・・・、」


シーザは不快に顔を歪め、部屋を見渡した。


「ここ、多分死神船の船長室だよ。前に来た事あるから、分かる」


カイルのその言葉を聞くと、シーザは驚きに目を見開いた。



「死神船?!いつの間に?!」

「・・シーザ、きっとアキに殴られたんじゃない?気失ってる間に連れてこられたんだよ」


カイルが簡潔に言い切ると、シーザは有り得ないとでも言う表情でカイルを見遣る。



「・・・・・・アリア船は、」

「・・・・・・・・・・・・」


シーザから零れた言葉に、カイルは俯いた。



「・・・・・・しっかり見てないから堂々と言えないけど・・・・・・、」


カイルは爪先を見る。



「多分、もう、生きてる人は居ないと思う」


「はぁ?!」


シーザがカイルに詰め寄った。




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