海上船内物語
「ここに居ちゃいけねぇのは、俺も同じようなもんだけど」
「そうだけど、私は・・・・」
後ろで、扉が開く音がした。
カイルの体が硬直する。
「起きたか。相変わらず貴様らは、疲れと言うものを知らんな」
アキが平然と部屋の中に入ってくる。
シーザが勢いよく構えた。
「手前ぇ、アル達をどうした!!」
「アル?そんな奴は知らん。船の中に居た小賢しい奴らなら斬ったが」
アキは二人に近付いた。
「シーザ。貴様はいつ見ても変わらんな」
アキはシーザを見下ろし、鼻で嗤った。
シーザがアキの胸倉を掴んだ。
「どうせ俺と張り合いたいがために、海賊なんかになったのだろう?」
「あぁ、そうだぜ。手前ぇが海賊狩りになったから、俺は海賊になってお前を殺るんだ」
アキがシーザの手を解いた。
「相変わらず考えが幼稚だな。他に考えは無かったのか」
「俺は手前ぇのそう言う性格が嫌いだ」
シーザとアキが睨み合う。