海上船内物語


「・・・・・はぁ?仲間?」

「あぁ。俺はこの海一に力を持つ“死神船”を作り上げたいのだ。海賊にも、政府にも屈しない、最強の船を、だ」


その言葉に、シーザもカイルも目を見開いた。



「カイルもだ。貴様は色々前科があるようだが、俺はその実力を見込んだつもりだ」

「・・・・・・・・っ、」

「貴様が不服だと言うなら、今すぐに斬り捨てるが」

「っそんなの、拒否なんてできるわけない!!」

「当たり前だ。拒否権などないからな」


アキは鞘から剣を抜いた。

こびり付いた血液が、乾いて赤黒く変色している。



「早く、言え。どうするんだ?」


切っ先を、カイルの喉元に当てる。

カイルの息を呑む音が聞こえた。


「私、をここに入れたら、絶対アキは後悔する・・・・・・!!」


フン、とアキは鼻を鳴らした。


「後悔?初めに貴様をここに入れたことも、とっくに後悔してる。
だから、それも全て飲み込んで、俺は貴様を死神船に入れる、と言ってるのだ」


じり、とアキはカイルに詰め寄る。

カイルはどんどん壁に追い遣られ、喉に冷たい感触が走った。





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