海上船内物語
「貴様は、随分カイルに惚れ込んでいたな」
「っ!!」
アキが、ベッドの壁に力無く凭れていた、カイルの腕を引っ張る。
床に倒れこんだカイルをそのまま強引に立ち上がらせ、自分の側に付けた。
「・・・・・ア、キ・・・・・・・・?」
未だ顔が強張っているカイルが、アキの表情を窺おうとした。
シーザがアキを睨む。
「・・・・・・・・何、するんだ・・・、」
シーザが一歩、アキに近付く。
それと同じ様に、アキとカイルが一歩下がる。
「っ、やめ・・・・・・・!!!」
アキは、突然カイルの首を掴んだ。
掌に、血液が付着する。
「っ、・・・・・・・・・・!」
「アキ!!」
アキは、カイルの首を絞め始めた。
シーザが剣を構え、アキに飛びかかる。
「今、俺に手を出したら、俺はこいつの首を折る。それでもいいか?」
「アキッ・・・・・・・・!!!」
シーザの怒号が部屋に響いた。