海上船内物語


カイルが顔を歪めた。
声が出ない様子で、口を開いて酸素を求める。


「カイルをどうすんだ・・・・・・!!」

「どうするも、貴様次第だ。

カイルを生かして欲しいなら、貴様はここの船の船員になれ」



カイルがアキの腕を掴む。
それでもアキは、指を首に食い込ませた。



「っぁ、・・・・ぐ・・・・・・・・・・・っ、」

「アキ!!手前ぇ!!」


シーザに焦りの色が見られる。
それを見て、アキは妖艶に嗤った。



「女に気を取られるのも醜い物だな。さぁ、どうする?カイルはそろそろ声も出なくなっているようだが?」


シーザが奥歯を噛み締めた。


「手前ぇは、絶対にカイルを殺せねぇ筈だ・・・。
死神船に有利となる、重要な“実力”は殺さない筈だ!」


アキが目を細めた。


「ほう。考えたな。確かに、そうだ。」


アキは笑みを浮かべながら、それでもカイルを離そうとしない。




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