海上船内物語
それから勢い良く立ち上がり、自前のベルトに剣を差す。好奇心からか、鞘から抜いたり出したりを繰り返していた。
「新しい刀・・・・・・・・・・!!」
それから船長室の一角の、革で出来ているホルターらしきものを勝手に拝借し、銃を装備してからベルトに繋げる。
「銃だ!やっぱかっけーなぁ」
カイルは上機嫌のまま部屋を出て、昨日怖がっていた脆い階段を平気で駆け下り、甲板に続く扉を開けた。
「うっああああああ!!」
が、途中剥き出しになっていたパイプに足を引っ掛けると勢い良く階段から転げ落ちて行った。
「うわあああああああっ!!」
甲板に転がりながら出て、やっと止まった所には。
「・・・・・・・・・・貴様は何をしている」
「あ、アキ・・・・・・・・・・・・」
そこは、船首に一番近い所だった。
船の壁に腰掛け、踏ん反り返っているのは船長。
そして、その船長の周りで笑いを堪えているのはカイルと同じコートの。
「カイル、立て。お前がこれから一緒に闘う船員達だ」
カイルは立ち上がり、その2、30人位は居る男達を見渡した。
「船員・・・・・・・・・・!!!」
明るくカイルが呟いた途端、船員達は笑いをとうとう堪えきれず吹き出してしまった。