海上船内物語
「・・・・・・・、」
アキは静かな顔で、サーベルを鞘に収める。
床に落ちたサーベルも拾った。
カイルは手を振りながら、ベッドにへたり込む。
「今のは、本気か?」
アキが無表情のまま、カイルを見下ろした。
「・・・・本気、・・・か分かんない。腕が鈍ってるから実力より出せてないかもだし、もうそれが今の私の実力なのかもしれない。 基本、私は真剣に一撃なんて決めた事無いから」
何も考えずに剣振ってるんだ、と苦笑するカイル。
「・・・・・・・・確かに、痛い。」
「へ?」
「お前の衝撃で、右手の骨が軋んだ。」
アキも眉を寄せ、手をぶらぶらと振った。
「ご、ごめん」
アキは俯き、溜め息をつきながら、ベッドに座り込んだ。
カイルが慌ててアキの側に駆け寄る。
「・・・・手、大丈夫?」
カイルがアキを覗き込んだ。