海上船内物語



「ふっ、・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・、」


アキはそんなカイルを見て、思わず笑った。


「・・・・何、笑ってるの」


くっくっく、と腹を押さえながら蹲るアキを見て、カイルは不愉快に眉を寄せる。



「いや、面白くて、な・・・・・」

「面白い?」



アキが顔を上げる。
カイルは目を見開いた。


「・・・軽く剣を振っただけで、こんなに威力を感じたのは初めてだ。将来が、楽しみで笑いが込み上げる」


アキはぽん、とカイルの頭に手を置いた。


カイルは硬直したままだった。


「貴様、何固まってるんだ」

「・・・・・・・は、初めてアキの笑顔を見た・・・、」

「は?」


アキがこれでもかと言うように、嫌な顔をする。


「いつも笑ってるじゃないか」

「違う!アキ、いつものあの笑顔で笑ってるって言わないよ!さっきみたいに笑ってみてよ!あれが笑顔だって!!」

「貴様、馬鹿にしているのか」

「違う違う!!」


カイルの頭を鷲掴むアキ。



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