海上船内物語
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カイルは、眉を寄せた。
隣に居たウルは、そんなカイルに首を傾げる。
「ねぇウル、ちょっとベランダ出ていい?」
「ん、いいけど」
カイルは一目散に窓を開けた。
息を大きく吸う。
「・・・・あぁ、やっぱり・・・・・、」
漆黒の空にぽつりと浮かんでいる、満月。
「何かあった?」
後ろで顔を覗かせるウルに、カイルは困惑の表情をしてみせた。
「すごく、嫌な風が吹いてる。雲が、気持ち悪いくらいに早く動いてるんだ・・・」
「それで?」
「海が荒れる。早く海から出ないと」
強風が、カイルの金髪を浮かばせた。